重曹掃除のすすめ

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掃除をする際は、目的や場所によって効果のある洗剤は変わってきます。ナチュラル洗剤として、よく知られている「重曹」は、魔法の粉と言われるくらい、いろいろな使い道がある優れものです。この記事では、「重曹」を使った掃除方法について紹介します。

重曹掃除を便利にするために

重曹
重曹

重曹とは(化学的性質)

重曹は化学名を炭酸水素ナトリウムといい、化学式はNaHCO3です。別名、重炭酸ソーダともいいます。無色の細かい結晶で、水に少し溶けます。その水溶液はpH8.2の弱アルカリ性をしめします。 熱を加えると、分解して炭酸ナトリウム、水、二酸化炭素(CO2)を発生させます。重曹は人体に無害な物質です。ふくらし粉などの食料品や胃薬などにも利用されるほどです。

重曹はスーパー、薬局、ホームセンターで手軽に購入できます。薬用、食用(タンサン)、工業用の3種類に分けられているので用途に合わせて選んでください。

重曹の中和作用

重曹を水に溶かすと、弱アルカリ性の性質を示します。アルカリ性の性質には、酸性の物を中和するという働きを持ちます。中和とは、酸性やアルカリ性の性質をお互いに打ち消しあって、中性に近づけようする作用で、性質を変えてしまいます。

掃除とどう関係があるのかといえば、例えば油汚れ。油は時間が経てば、酸化して酸性の性質を示します。重曹はそんな酸性を中和し、性質を変えてくれる働きを示します。

キッチンの掃除に

レンジフードや換気扇の掃除には重曹が便利です。汚れが酷い場合は重曹を溶かしたお湯に浸け置きをすると油が浮いてきてキレイに落とすことが出来ます。

しつこい油汚れは、ペースト状にした重曹を塗り込み、しばらくしてからスポンジで擦るとキレイに油汚れが落とせます。

水に溶かした重曹水をコップに入れて、電子レンジでチンすると沸騰した蒸気が内部にいきわたり、拭き取るだけでキレイになります。

浴室の掃除に

皮脂汚れと石鹸の成分が結合してできた石鹸カス(黒や灰色の汚れ)や、水に含まれるマグネシウムと石鹸の成分が結合してできた湯垢(茶色の固まった汚れ)は、ペースト状にした重曹を塗り込み、しばらくしてからスポンジで擦るとキレイに汚れが落とせます。

重曹の研磨作用

重曹は細かい結晶で、水に少し溶けます。この水に溶かしたときに溶けきれない結晶が研磨剤として働きます。一般の研磨剤は、ごつごつ感のある粉を洗剤などに混ぜて作られていますが、重曹は水に溶かすと結晶の角が取れ、傷がつきにくい、滑らかな研磨剤となります。

キッチンのシンク掃除に

シンクには、直接かけて擦り洗いするとクレンザーを使った時のようにキレイになります。また、すすぎで流れる重曹水で排水口もキレイになります。

茶渋落としに

湯呑茶碗やティーカップの茶渋に、重曹を直接かけて擦るとキレイになります。

トイレの掃除に

便器に、たっぷり重曹を振りかけてしばらくしてからブラシでこすると、軽い黄バミを落とすことができます。

重曹の消臭作用

重曹の中和作用と大きく関係があるのですが、汗の臭いや腐敗臭はものが酸化された臭いで、酸性の性質を示します。そんな酸性の嫌な臭いを、重曹は化学的に中和します。又、水分をいくらか吸収するので、生ごみなどの臭いの含んだ水分を吸着脱臭する効果もあります。

尚、トイレの臭いの元であるアンモニア臭はアルカリ性を示すので、重曹では消臭されにくいです。

カーペットの掃除に

カーペットに食べ物や飲み物をこぼした時は、タオルで水分を取った後、重曹水で繰り返しクリーニングします。最後に重曹をそのままかけておくと、残りの水分と臭いも取ってくれます。乾いたら掃除機を掛けて下さい。ただし、カーペットの素材によってはシミや変色になる場合があるので、目立たない場所で試してから行って下さい。

冷蔵庫や下駄箱の消臭に

粉の重曹を容器に移して直接置いておくと脱臭効果があります。

重曹の軟水作用

水には硬水と軟水というものがあります。硬水は鉄分やカルシウムなどの金属成分を多く含む水のことをいいます。日本の水道水は基本的に軟水ですが、若干のミネラル分を含んでいます。このミネラルと石鹸の成分が結合してできた石鹸カス(白っぽい汚れ)は、重曹では落とすことができません。風呂場の蛇口のまわりや鏡にこびりつく、うろこ状の白っぽい汚れです。

しかし、重曹はミネラル分と石鹸成分が結合するのを防いでくれます。洗濯などで、先に重曹を入れて軟水化してから、洗剤を入れると軟水効果が期待できます。

重曹の発泡作用

お菓子の生地やケーキをふっくら膨らませるのに利用されているのですが、重曹は、酸や熱を加えると分解されて炭酸ガスを発生します。掃除の時にも、この発泡作用を利用して、汚れを浮きあがらせることができます。

排水パイプの掃除に

排水口に重曹を振りかけ熱湯を流し入れます。一晩おいてから水を流すだけで排水パイプがキレイになります。

鍋の焦げ付きに

焦付いた鍋に小さじ1杯の重曹と熱湯を入れ、しばらく放置します。すると軽く擦るだけでキレイに焦げ付きが落とせます。

重曹の使い方

重曹の洗浄効果という点では、強力な専用洗剤には勝てません。しかし、使い方によっては、ものすごい効果を発揮します。掃除での重曹の使い方には、主に3つの方法があります。

  1. 粉のまま使う。
    スポンジを軽く濡らしその上に粉の重曹を振りかけて使ったり、汚れ箇所に直接かけてスポンジやブラシでこすり落とします。

  2. 水に溶かして使う。
    水1ℓに重曹大さじ4の割合で溶かして作ります。汚れが酷い場合は割合を増やして濃くして下さい。スプレー容器に入れて使うと便利です

  3. ペースト状にして使う。
    汚れのひどいところは、水と重曹を1:3の割合で練った重曹ペーストにして使用すると効果的です。

その他の自然派洗剤

自然派洗剤
自然派洗剤

酢酸やクエン酸は水垢に強い

お酢は酢酸とよばれる酸性の性質を示し、雑菌を抑える効果があります。お酢は食品として使われておりますので、安全性もピカイチです。洗面所やお風呂、キッチンなどの水垢汚れに効果的です。また、雑菌を予防するためカビ予防にもなります。また、クエン酸もお酢と同じ効果であり、お酢とは違い無臭です。臭いが気になる方はクエン酸を水で薄めて使うと良いでしょう。

ただし、酢酸やクエン酸は、塩素系の洗剤とまぜると危険です。シンクなどの汚れに有効ですが、排水溝に塩素系の洗剤などがあると、有害物質が発生することもありますので注意が必要です。

セスキ炭酸ソーダ

セキス炭酸ソーダは、重曹と同じアルカリ性の性質を示し、人体に触れても害はない洗剤です。炭酸ソーダは、「炭酸ソーダ」と「重炭酸ソーダ」からできています。重曹に比べるとアルカリ濃度が強いため、重曹よりも強力に汚れを落とすことができます。洗浄力がありながら、手荒れの心配は少ない適度なアルカリ濃度ですので安心して使うことができます。

セキス炭酸ソーダは、タンパク質などの皮脂汚れや血液汚れ、手垢汚れを落とすことができます。ドアノブや取っ手、各部屋のスイッチ部分などにセキス炭酸ソーダをかけてからしっかり拭くと、ピカピカにすることができます。プラスチック容器やお弁当につかうシリコンカップなども、洗う前にセキス水をかるくスプレーすれば、より油汚れをしっかり落とすことができるでしょう。その他にも水垢を落とす効果もあるので、窓ガラスや鏡の拭き掃除にも使うことができます。重曹で落とせなかった汚れにセスキ炭酸ソーダが活躍できると覚えておくと便利でしょう。

ただし、洗浄力が強いため、肌にやさしい原料であっても、人によっては肌荒れを起こすこともありますので、肌の弱い方は手袋をして使うようにしましょう。

過炭酸ナトリウム

過炭酸ナトリウムは、炭酸ソーダと過酸化水素を混ぜたもので、酸化力が強いため、漂白剤や除菌剤、消臭剤などに使うことができます。過炭酸ナトリウムは、使用後に炭酸ソーダと酸素、水に分解するため、自然環境にやさしい洗剤といえます。

過炭酸ナトリウムは、カビやしつこい汚れを落とす力があります。衣類の汚れや染みをきれいに落とせるため、洗濯時に洗剤代わりに活用しても良いでしょう。また、洗濯槽クリーナーとしても使え、カビ汚れを落とすことができます。

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