家の内外を掃除したり手入れをするには、汚れや修理の内容に合った適切な道具が不可欠です。ホコリや汚れを取り除くには「吸い取る」「はたく」「はく」「拭く」「こする」「磨く」「剥がす」などの方法をとります。また、障子の張り替えには、紙やのりなどの材料と刷毛も必要です。クギを打ったり抜いたりするには、かなづちとスパナやクギ抜きが要ります。
家庭で揃えておきたい道具には、必ず必要なものから、あれば便利なものまでいろいろあります。「必要だ」「ほしい」と思って買ったのはいいけれど、 1度使っただけであとはしまったままの道具や、使いこなせていない道具もあるはずです。掃除や手入れの頻度も考えて、ムダなく揃えたいものです。
掃除道具の必須アイテム
電気掃除機
掃除機は1家に1台の必需品です。吸引パワーにすぐれ、軽くて小まわりがきき、音の静かなものが一番です。チェックポイントは、手元スイッチの操作、集塵袋やフィルターの処理が簡単なこと。ノズルは一般の床用のほかに、布団用、隙間用などは最低限ほしいものです。ハンディータイプやひとり暮らし用の小型掃除機もあり、状況に合わせて選びます。
はたき類
ホコリをはたいて取るには、はたきが便利です。昔ながらの布のはたきが一般的ですが、羽根ばたきや、ホコリを静電気で集める化学ばたき(ナイロンばたき)もあります。化学ばたきはオーディオ製品やパソコンのホコリ取りには最適で、揃えておきたいアイテムです。
ほうき
室内用と屋外用に1本ずつ用意したいものです。室内用は柄の長いほうが天井のホコリ取りにも便利です。押し入れや戸棚のホコリやゴミをかき出すには、荒神ぼうきが向いています。チリトリは屋外用に1つは必要でしょう。
雑巾
拭き掃除には不可欠で、何枚あっても困りません。使い古しのタオル、丁シヤツなど衣類で簡単に作れます。水拭きできない箇所には化学雑巾が便利です。最低2枚程度は用意して、汚れたら新しいものに替えましよう。バケツは雑巾をすすぐときに必要です。できれば中くらいのものを2つ用意するとラクです。
モップ
ペーパーモップは化学雑巾の替わりに立ったまま床をカラ拭きするのに使います。布雑巾をつけたモップは、広い部屋やワックスがけをするときに必要なので常備しておくと便利です。
スポンジ、タワシ
こすったり磨いたりして汚れを落とすのがスポンジやタワシ。浴室などいろいろな所で役立ちます。キッチンでは食器洗い用とレンジまわり用とは別にします。使ったら洗剤分や水気を取り、よく乾かして使うと衛生的です。タワシは天然素材のものから、ナイロン、プラスチック、金属、スチールウールまでさまざまです。材質の固さに応じて使い分けますが、天然素材のものと金属タワシの2種類は最低揃えておきたいものです。
ブラシ
トイレブラシは必ず用意し、汚れたらすぐ掃除するようにします。ガスバーナーの目詰まりには金属ブラシが便利です。古歯ブラシは細かい部分の汚れ落としには最適で、不要になったら保管しておきましょう。靴を洗うスニーカー用ブラシも利用度の高いブラシです。
ゴム手袋、軍手
ゴム手袋は強力洗剤を使うときには必ずはめ、手の荒れを防ぐことが大事です。雑巾替わりに使ったり、汚れを直接手につけないので、いろいろ役立ちます。軍手も同じ使い方ができ、ゴム手袋の上に軍手をはめて、ブラインドの羽根汚れをこすって落とすなどの使い方もあります。
あれば便利な掃除道具
便利で機能的なアイデアグッズも売られているので、家庭用品のコーナーをのぞいて、役立ちそうな道具を揃えるのも楽しいものです。
- 粘着ローラー
- 各種ブラシ類
- オーディオやパソコンなどの手入れグッズ
- スクイージー(窓ガラスを掃除するワイパー)
- 極細繊維雑巾
補修、修繕に必要な道具
補修や修繕には、板を切る、削る、穴をあける、クギを打つ、接着剤でくっつける、ネジを締めるなどの方法をともないます。家庭で必要な大工道具は、住まいに応じて揃えておくのが―番よいのですが、次の3つがあると何かと便利です。
- ドライバー
- かなづち
- ペンチ、プライヤー
このほか、メジャー、カッター、やすりなどの小物類もほしいところです。のこぎり、キリ、かんな、のみ、 ドリル、クギ抜きなどはDIYでの道具一式とも言えるものです。
家にあるもので掃除道具を作る
ナイロンで化学ばたきを作る
市販の化学ばたきを買うのもよいのですが、家庭でも簡単にナイロンではたきを作ることができます。材料は、①荷造りのときに使われるナイロンのひも、②30~40センチくらいの竹の棒か木の棒、③糸、の3つです。
ナイロンのひもを幅1センチ、長さ15~ 20センチになるようにハサミで切り、そねを20~30本準備します。棒の先端から3センチ程度の所に切つたナイロンの束を置いて、上から糸でグルグル巻きにします。こねで化学ばたきのでき上がりです。
パンストの利用法
ハンディモップを作る
パンストを長さ10センチに切つたものを30~40枚用意し、針金ハンガーに1個ずつむすんでいくと、でき上がりです。
天井のホコリ取り
室内用のほうきの先にバンストをすっぽりかぶせ、それで天丼のホコリを取ると、パンストにホコリが吸着して下にホコリが落ちてきません。
掃除機の吸い取り口にかぶせて
パンストの足の部分を切り取って掃除機のノズルにかぶせて吸引すると、吸い込んで困るものがそこで止まります。タンスの裏に落としたアクセサリーなどを取るのに便利です。また、数枚重ねてかぶせ、造花をたたくようにして吸引すると型くずれなくホコリが取れます。
ラップの芯、アルミホイルも活躍
ラップの芯を掃除機のノズルに取りつければ、吸い込み口が小さくなって、細かい所や障子の桟のホコリをラクに取れます。また、ラップの芯の筒のまわりに両面テープを貼ると粘着ローラーのでき上がり。じゅうたんやカーペットについた髪の毛や糸クズを取るのに便利。アルミホイルは光った面でサビ落としや浴室の洗面器の湯アカ取りに利用できます。
掃除機を上手に使いこなすコツ
掃除機はいつも使っているので、かけ方を意識することはあまりないのですが、意外に重労働に感じている人も少なくありません。腰をかがめた姿勢で掃除機をかけていると移動も大変で、ひとつの部屋が掃除し終わるとヤレヤレとなります。
掃除機は、まっすぐに立った状態で左手(または右手)にスイッチ操作の部分を持ち、ノズルを前方に動かして操作するのが基本です。
吸い取る力を最大限に発揮させましょう
掃除機の機能はごみを吸い取ることです。床とノズルの吸い込み面が密着した状態が一番吸い取りやすいので、いつもその状態でかけることです。床と密着していないと、畳やフローリングの材質を傷つけるおそれもあります。
吸い込み面を密着させるためには、スイッチの操作部分を持った手を少し曲げる程度にし、パイプを調節して密着する長さにします。掃除機をかける範囲は、手でノズルを前方に押したり手前に引くときも密着した状態が保てる範囲です。大体身長の半分くらいの範囲で、160センチの身長ならば80センチくらいを目処にします。それ以上だと吸い込み面が床と離れるので吸引力が弱まります。操作する動作も前かがみになり、腰を落とす格好で疲れてしまいます。
ゆつくり時間をかけて吸い取る
ノズルを前方に押してから元の位置に引いて戻すまでの時間に目安はありませんが、時間をかけるほど吸い取るゴミの量は多くなります。かける場所にもよりますが、できるだけゆつくりした動作でかけるようにします。
また、押すときは比較的ゆっくりかけていても、引くときはスッと引いてしまう傾向があります。ノズルの回転ブラシが前から後ろに回転する機種では、むしろ引くときのほうがゴミをよく吸い取ります。イライラしない程度に時間をかけましょう。
場所に応じてノズルを替える
床でも、フローリングの床、じゅうたん、カーペットの床、そして畳があります。ひとつのノズルの吸い込み面ですべてに対応できる機種はよいのですが、それ以外の機種では床の材質に応じてノズルを替えましょう。また、狭い隙間や壁と床の境目などの隅は、床用のノズルではゴミをしっかり取ることができません。せっかく床をキレイにしたのに取り残しがあっては…。そのために隙間ノズルなどの付属品があるのですから。
板の継ぎ目や畳の目に沿ってかける
フローリングや畳の部屋では床の目に沿って掃除機をかけるのが基本です。板と板の継ぎ目の部分や畳の目の中に入っているホコリやゴミが吸い取りやすいからです。じゅうたんやカーペットの床への上手なかけ方は、毛並みに逆らって毛足を立てるようにかけるのがコツです。こうすると毛足の中にもぐり込んだホコリやゴミも吸い出すことができます。かける時間を少し長めにするとよいでしょう。
その他の注意ポイント
掃除機をかけるときは、 ドアや窓は開けて換気しながら行います。かけ終わったあとも30分~1時間程度は開けたままにしておいたほうが空気の入れ換えになります。
掃除機のコードは、コンセントとの距離に余裕を持たせ、本体が移動しても引っ張られないようにします。
掃除機は何でも吸い取る力があるため、ボールペンでもティッシュペーパーでもアッという間です。吸い込んで困るものをまわりにおかないこと。吸い込んでしまったら、すぐにスイッチを止め詰まった箇所を確認し、棒などを使って取り除きます。火がついたままのタバコ、カミソリなどは要注意です。