余分な脂肪は、どうして体につくのか。肥満を治すにはなぜ太るのか、を知ることが第一歩です。肥満は、生活習慣病をはじめとした様々な病気を招く原因になりますので、はやく解消しましょう。今回は、肥満の予防方法と肥満を解消する健康法を紹介します。
これが肥満の原因!!
余分な脂肪は、使いきれないほど栄養物が体の中へ取り込まれると、余った栄養物は脂肪に換えてためられます。これが余分な脂肪になります。栄養物が余るには二つの理由があります。一つは栄養の吸収効率がよいこと。これだと少量しか食べなくても余ってしまいます。もう一つは、使わないこと。いわゆる運動不足です。
太った人は、この二つのことが同時に起きています。たくさん食べても全部使ってしまうほど運動したり、頭を使ったりすれば肥満しません。
大きく太る脂肪細胞
脂肪を蓄える細胞を脂肪細胞と言います。正常な脂肪細胞は10ミクロンほどですが、最大になると1000ミクロンほどになり、脂肪を蓄えます。脂肪細胞はおなかや腰回り、太ももなどに密集しています。
この脂肪細胞に、脂肪として蓄えられる栄養素は、炭水化物から食物繊維を除いた糖質やアルコール類、油脂類などです。これらの物質は、体を動かすために必要なブドウ糖になるものです。なぜ、体が余分な脂肪を蓄えるのかというと、ブドウ糖が血液中に多くなりすぎると、各種の障害が起こります。それを防止するために、脂肪細胞に蓄えるのです。
栄養物の吸収機構 胃で消化された飲食物は小腸から吸収されます。その吸収のされ方は小腸のじゅう毛に無数にあいている小さな穴から取り込まれ、血中に入ります。じゅう毛が太くなるとそれだけ取り込み量も多くなります。少食でも大るのはこのためです。
太るメカニズムについて
太る状態には二通りのメカニズムがあります。一つは水太りといわれている状態です。水太りは冷え性などをともなったもので、代謝が不活発になっています。食べる量は少量ですが、甘いものと温かい食事が好きな人に多くみられます。
二つ目は、固太りといわれている状態です。代謝は活発で体もがっちりしている人が多いです。食べる量が多く、肉・魚などを好みます。また、冷たい食品が好きな人に多くみられます。
このように、肥満でも二通りに大別されますが、その人の体質や生活習慣、過去の健康度合いでつくられるものです。大った状態が違うので、やせ方も現在の状態に合わせてやせ方を選びます。
肥満の予防と解消する健康法
冷え性タイプの方のダイエット方法
冷え性タイプの人は、体を温めて余分な脂肪を使うように代謝を盛んにすることが効果的です。お風呂の中でマッサージやストレッチを行い、代謝を良くしてみましょう。食事は制限するよりも、良質なたんぱく質を中心にバランスよく食べます。尚、過度な運動も必要ありません。ウォーキングなど、軽めの運動を行いましょう。
冷え症をともなう水太リタイプの入浴痩身法
お風呂に入ってよく温まると、体の代謝が活発になります。すると脂肪を使うホルモン(ノルアドレナリンなど)が分泌され、余分な脂肪が使われます。これをもっと積極的にしたのが入浴痩身法です。
よく温まり、大っている腹部、腰まわり、大ももをブラッシングして強い刺激を与えます。痛いほど強い刺激がよいのですが、冷え症のある人は肌の抵抗力が弱く傷つきやすいので、初めはやわらかい毛のブラシから始め、肌を鍛えてから強い刺激を与えます。脂肪は腹部、腰部、大ももに多くついているので、ここの脂肪をとると冷え症も治ってきます。
これを毎日続けます。脂肪が最も使われる時間は午後2〜4時ごろですからこの時間帯に行なうのが理想ですが、夕方や夜でもかまいません。運動するより効果的で、1週間も続けると目に見えて減量し体調もよくなります。
ノルアドレナリン 脂肪細胞に働きかけ、月旨肪を遊離脂肪酸として血中に放出するホルモン物質。こうして分離された脂肪は細胞のエネルギー材料として使われます。正しい肥満の解消法とは、この代謝を活発化するものでなければなりません。
食事制限、空腹にならない体操、早寝などで固太りを治します
昔、スポーツをしていた、行動的で太っていても元気いっぱい、という夕イプが固太りの特徴です。このタイプは、徹底した食事制限とよく運動をし、規則正しい生活をする以外に健康的にやせることはできません。
まずは、食事は量を減らします。1日の総摂取熱量を1800kcal程度に制限し、脂肪、糖質食品を少なく、たんぱく質食品を多くします。それに、ゆっくり、よくかんで食べる習慣を身につけます。酒類も控えます。酒類は、脂肪と合体して肥満化を促すものです。
運動は、激しい運動をすると心臓負担を大きくするので、歩行運動から始め、少しずつ運動量を大きくします。
ジョギングやテニスなどの激しい運動は、かえって空腹感を強め、食欲を増進させるのでいけません。空腹にならなくて運動量のある運動が理想です。正しい姿勢をする、歩く、階段を上り下りする、腹筋や背筋運動、朝の日党め運動、朝食前の運動などが、適切な運動です。
生活の仕方では、夜食を厳禁します。体調のリズムを昼型にし、夜は早く寝るようにします。
夜食、夜型生活をなくすのが最大のポイント
タ方から夜中にかけては、体は休養のリズムに入ります。したがってこの時間帯に食べた栄養物は、脂肪として蓄えられます。夜働く人たちでさえ、このリズムの原則は貫かれます。ですから夜中に食事をしたり、飲酒をすると、とたんに大るのです。
都会生活者は夜型生活が多いのですが、やせるためには、食べないこと、飲まないことの二大原則を守らねば、昼間、どんなにやせる努力をしても効果があがりません。
朝食、昼食の食事はその日のうちに使われて脂肪として蓄えられにくいので、生活のスタイルを昼型にするのが肥満者のどのタイプにも共通したポイントです。
子ども時代から太っていた人は、根気よく続けること
成人後からの肥満と、子ども時代からの肥満とでは、太った内容が違います。成人後肥満は脂肪の蓄え方が、細胞を大きくふくらませて太りますが、子ども時代からの肥満は、蓄える細胞の数を増やして太ります。
一度増えた細胞の数は減りませんから、このタイプは、なかなかやせません。しかし、根気よく続けていると、次第に健康を取り戻し、たいしてやせなくても元気で、病気にならない体になります。
肥満はいろいろな成人病の温床といわれていますが、放っておくとその可能性が強く、適切にコントロールすれば、かえって体力を増し、健康になれるものです。ただ、不必要に体重をおとすのは健康を損ねるのでご注意を。
暮らしの知恵袋 ダイエットの裏技
知っているとちょっと便利になったり、いざという時に役立ったりする裏技や、生活の中で役に立つ知恵などを紹介します。
簡単ダイエット法
ふうせんダイエット
毎日、ゴム風船を50回ほど膨らませると、複式呼吸の効果でダイエットができます。
塩の取りすぎは肥満につながる
塩分の取りすぎは、血中の塩分濃度が高くなるので、のどの渇きを誘発します。そして、ついつい多量の水分補給をしてしまう結果、胃袋を大きくする原因となり、肥満へとつながります。
やせる汗をかく方法
汗をかくと、新陳代謝がよくなり、基礎代謝が高まることによりやせることができます。しかし体内のミネラル分まで汗といっしょに流していては逆効果。よけいに太る原因にもなりかねません。そんなミネラル分の流失を防ぐには、レシチンが効果的です。レシチンは豆腐にたくさん含まれています。
二の腕ダイエット
二の腕の太さが気になる方は、手のひらで肩から肘に向かって、ゆっくりともむようにマッサージを繰り返すと引き締まってきます。
食べ過ぎを防止する方法
空腹感は血糖値が低ければ、空腹であると脳から信号が送られます。つまり、食事の前に血中糖度を上げてやれば、ついついの食べ過ぎを抑えることができます。食事の前に果物やあめなどを食べればいいでしょう。
間食を抑制する方法
ついついやってしまう間食をやめてダイエットを!と考えていても、やめられるなら苦労はしません。そんな時は、メンソール入りのリップクリームが便利です。眉間と鼻の下に塗ってやると、不思議と食欲が抑えれます。