野菜の保存は冷蔵庫を利用するのが一般的ですが、常温で保存をする方が鮮度を保てる野菜もあるのです。品質を保ちながら野菜を保存するには、野菜の性質を見分けなければなりません。この記事では、野菜を上手に保存する方法を紹介します。
野菜の特徴を知りましょう
野菜保存の基本
野菜保存の基本は、野菜は畑で取れた時と同じ状態のように近づけて、保存するといったことです。例えば、ジャガイモやたまねぎは土の中で出来ます。しかし土の中で保存するわけには行きませんので、暗くて涼しい場所に保存します。といった具合に畑で取れた状態に近づけて保存するように心がけます。
野菜は生きている
野菜は生きています。水分を必要としたり、呼吸をしてガスを出したり葉っぱが成長したり、芽が出たりと、成長しようとします。その、成長するエネルギーは野菜の栄養分から吸収されます。つまり、野菜の栄養分が使われて老化します。
成長は新鮮な野菜ほど激しく起こります。その成長を防ぐために、ちょっとだけ、手間をかけるだけで鮮度の保ちがずいぶんと変わってきます。
また、野菜の保存は、横にねかせず立てておきます。野菜にはまっすぐに立とうとする性質があるため 、ねかせておくと、立ち上がろうとエネルギーを消費して老化が進むのです。白菜は新聞紙にくるんで壁に立てかけておき、ねぎやごぼうなどの長いものは、円筒形のくず箱のようなものを利用して、立てかけておくといいでしょう。
野菜保存袋
野菜保存に便利なのが、野菜用の保存袋です。野菜用の保存袋は、呼吸を弱まらせ(呼吸を全く遮断すると野菜が死んでしまいます)、エチレンガスを吸収してくれます。
エチレンガスは野菜が呼吸をする時に発生するガスの一つで、臭いの原因や、老化の原因になります。ガスを取り除くことによって、鮮度が保てます。
しなびた野菜の戻し方
ほうれん草や小松菜などの葉ものは、買ってきたら葉先まで水につけてから新聞紙に包み、冷蔵庫で保存しましょう。しなびてしまった野菜は、砂糖と酢を少量入れた水に10~15分つけると、シャキッとした新鮮な野菜によみがえります。かなりしなびてしまった野菜は、一晩水につけるとよみがえります。サラダで食べると、水っぽいので火を通す料理に使ってください。
野菜の保存方法 一覧表
野菜 | 保存方法 | 保存場所 | 日持ちの目安 |
---|---|---|---|
アスパラガス | 水を入れたグラスに立てて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 4~5日 |
アボカド | 熟して黒くなったらポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 3~4日 |
枝豆 | 枝から実を外し、濡れた新聞紙で包み保存します。 | 常温 | 1~2日 |
オクラ | ポリ袋や新聞紙に入れて、冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 2~3日 |
カブ(根) | 湿らせたペーパータオルで包み、風通しの良い場所に立てて保存します。 | 常温 | 7日 |
カブ(葉) | 水を入れたグラスに立てて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 2~3日 |
かぼちゃ | 切ったら種とワタを取って野菜室で保存します。 | 常温 | 4~5日 |
カリフラワー | ラップに包んで立てて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 3~4日 |
きのこ類 | 湿気を嫌うので、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 1週間 |
キャベツ | 芯の部分からをくりぬいて、ぬらしたキッチンペーパーを詰め、ラップに包んで冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 1週間 |
きゅうり | 一つずつ野菜袋やポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。低温すぎないように注意が必要。 | 冷蔵 | 4~5日 |
ゴーヤー | 種とワタを取って冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 1週間 |
ごぼう | 泥をつけたまま、濡らした新聞紙に包み、冷暗所にたてて保存します。 | 常温 | 1ヵ月 |
小松菜 | 葉の表面から水分が蒸発しますので、濡れた新聞紙に包み、野菜袋やポリ袋に入れて冷蔵庫で立てて保存します。 | 冷蔵 | 4~5日 |
さつまいも | そのままの状態で、新聞紙に包み、風通しのよい冷暗所で保存します。 | 常温 | 3ヵ月 |
さといも | 泥つきのままの状態で、新聞紙に包み、風通しのよい冷暗所で保存します。 | 冷暗所 | 1ヵ月 |
さやえんどう | キッチンペーパーに包んでポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 4~5日 |
ししとう | 水分を取り除き、野菜袋やポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 1週間 |
しそ | 水を入れたグラスに立てて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 2週間 |
じゃがいも | 新聞紙に包み、風通しのよい冷暗所で保存します。 | 常温 | 3ヵ月 |
しょうが | 塗らしたキッチンペーパーに包んで密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 1ヵ月 |
せり | 塗らしたキッチンペーパーに包んで密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 3~4日 |
そら豆 | キッチンペーパーに包んでポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 4~5日 |
大根 | 葉の部分を切り落とし、湿らした新聞紙にくるんで、風通しの良い場所に立てて保存します。 | 常温 | 7日~10日 |
たけのこ | あくぬきをして水に浸して冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 1週間 |
玉ねぎ | 網に入れて風通しのよい場所で保存します。半分だけ使った場合は、切り口にラップをして、冷蔵庫で保存します。 | 常温 | 3ヵ月 |
とうもろこし | ひげ部分を上にして立てて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 3~4日 |
トマト | 一つずつ野菜袋やポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。低温すぎないように注意が必要。 | 冷蔵 | 4~5日 |
長いも | 新聞紙に包み、風通しのよい冷暗所で保存します。 | 常温 | 2週間 |
なす | 一つずつ野菜袋やポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。低温すぎないように注意が必要。 | 冷蔵 | 4~5日 |
ニラ | 塗らしたキッチンペーパーに包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 4~5日 |
にんじん | 水分を取り除き、新聞紙に包み野菜袋やポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 1週間 |
にんにく | 風邪通しのよいところに吊るして保存します。 | 常温 | 1ヵ月 |
ねぎ | 根元を切って2,3等分し、新聞紙に包んで冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 1週間 |
白菜 | 芯の部分からをくりぬいて、新聞紙に包んで冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 4~5日 |
ピーマン | 水分を取り除き、野菜袋やポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 1週間 |
ブロッコリー | ラップに包んで立てて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 3~4日 |
ほうれんそう | 葉の表面から水分が蒸発しますので、濡れた新聞紙に包み、野菜袋やポリ袋に入れて冷蔵庫で立てて保存します。 | 冷蔵 | 4~5日 |
みょうが | 塗らしたキッチンペーパーに包んで密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 10日 |
もやし | 水に浸して冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 4~5日 |
レタス | キッチンペーパーで包み、野菜袋やポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 1週間 |
れんこん | 切り口はラップして、泥をつけたまま、新聞紙に包み、冷蔵庫で保存します。 | 冷蔵 | 1週間 |
暮らしの知恵袋 野菜の裏技
知っているとちょっと便利になったり、いざという時に役立ったりする裏技や、生活の中で役に立つ知恵などを紹介します。
芯をくり抜いての保存方法
レタス、キャベツ、白菜などの葉巻きものは芯から腐ります。新鮮なうちに芯をくり抜き保存の工夫をしましょう。
大きなキャベツは一度で食べきれないので、新鮮なうちに芯をくり抜き、水を含ませた脱脂綿を詰めてからラップして冷蔵庫へ。ときどき脱脂綿を変えると良いでしょう。
レタスは芯をきれいに洗い、水気をとってから小麦粉をたっぷりすりつけて、ラップ紙やアルミ箔に包んでから冷蔵庫へいれましょう。小麦粉をつけると空気を遮断するので、長持ちします。また、芯をくり抜きラップ紙に包む方法も効果があります。
かぼちゃは種のまわりのわたから腐りやすいので、半分に割ってわたをきれいに取って拭き、ラップに包んで冷蔵庫へ。栗かぼちゃを煮るときは、わたが少々あったほうが美味なので、少しだけ残します。揚げもの、酢のものにするならとり除きます。
玉ねぎはアルミ箔で包んで冷蔵庫へ
少量の玉ねぎの場合、1個ずつアルミ箔に包んで冷蔵庫に入れると芽がでません。半分だけ残ったら切り口に少しだけサラダ油やバターを塗ります。ただし、新玉ねぎは冷蔵庫に入れると味が落ちますので注意してください。