スーツやコート、ジャケットなどのおしゃれ着の毎日の手入れはブラッシングが基本です。布地に吸い込まれているほこりを毛先ですくい出すような気持ちで、ていねいにい行いましょう。また、おしゃれ着に着替える前には、首や手首をきれいに拭く習慣を。できればシャワーを浴びてから着替えます。外からつく汚れとともに、自分からの汚れにも気配りをしましょう。長い間には大きな違いとなって現われます。
このページでは、スーツやコート、ジャケットなどの手入れと収納の方法を紹介します。
スーツやコート、ジャケットなどの手入れ方法
衣類は着たあとは、ブラシをかけてほこりを払っておきます。こんな当然なことがじつは衣類の寿命をのばし、洗濯の効率をあげるためにも、最も大切な毎日の手入れなのです。とくに、スーツの持ち数は替え上衣を含めて7〜8枚が平均的とか。少ない持ち数ですっきりみせるコツはゆき届いた手入れです。ブラシかけは布のほこりを毛先ですくい出すように、ていねいに行いましょう。
日常の手入れには、スチームアイロンの蒸気を利用する方法もあります。夏物では楊柳の場合です。何回も着ているうちにしぼがのび、独特の雰囲気がなくなってしまうことが多いようです。そこで、スチームアイロンの蒸気だけを吹きつけてみましょう。元通りのしぼが復活します。その場合、アイロンをかけてしまってはいけません。
また、冬物ではコーデュロイやビロードなどのベルベットにこの手法を用いると効果的す。魅力のポイントの美しい毛並みをとり戻しましましょう。
ウール素材の衣類の手入れ方法
ウールは、保温性はもちろん、吸湿性、弾力性、染色性に富み、汚れにくい繊維です。だからこそ、逆に日常生活の気くばりを充分にして大切に扱いたい衣類です。″生きている繊維″ウールには人間と同じようにお休みすることが大切です。
1日着たら1日休息をしましょう。また、こまめにブラシを当てて、ほこりやちりを取り除き、ハンガーにつるして外気に触れさせてください。衿は季節に関係なく、最も汚れる場所です。衿元の手入れデーを決めて、ウール素材の衣類を一堂に集めて総点検と手入れを行いましょう。
ブラシは毛足が長短2種の動物性のもの用意しましょう。
スーツやコート、ジャケットなどの手入れに使うブラシは毛並みや布目にそって、やわらかい生地にはやわらかい獣毛を、など布質に合わせて使い分けましょう。次にそろえておくと便利なブラシを紹介します
- 豚毛で毛足が長くて、やわらかい白いブラシ
- 豚毛か化繊の毛足が短い黒いブラシ
- 表面のほこりや糸くずをとるエチケットブラシ
- 裾の折り返しの中のごみやポケットを掃除する荒神ぼうき
ブラシではとれないほこりはエチケツトブラシで
ベルベットのほこりとりには、一般にエチケットブラシばれるナイロン布ブラシが役立ちます。また、ウールの場合は獣毛を使いますが、化繊の混紡ものは、エチケットブラシのほうがよくとれます。プラシではとれないほこりはエチケツトブラシを活用しましょう。
エチケットブラシの手入れは、手入れで使うときと反放の方向にこすります。汚れている場合は、洗剤液でしぼった布きれなどでこすりましょう。あとは、水でしぼった布で拭いてから、さらに乾いた布できれいに拭いて仕上げます。
防水スプレーが役立ちます
衣服は手入れ以前に、汚れなどの予防をしておくことも大切です。″スコッチガード″など、ふっ素樹脂の、いわゆる防水スプレーは、水や油をはじき、汚れやしみがつくのを防いでくれます。コートやスーツ、また、とくにしみをつけたくないドレスなどに吹きつけて使います。
使うときは、軽くふって、約20cmの距離から、しっとりぬれる程度にスプレーします。缶は45度以上傾けて使わないこと。約30分間、自然に乾かし、乾燥させてからアイロンをかけると、いっそう効果的です。防水は汚れをよくおとしてから行ないましょう。汚れた上にスプレーをするとしみをつくる原因になります。
ちょっとした気遣い
ビロードや毛皮は、毛が寝てしまうとだいなしです。また、部分的にすり切れてしようとみっともないものです。外出時、ハンドバックの持ち方に少し気をつければ防げることですので、バッグを一か所ばかりに当たらないように左右に交互に持ちかえたり、少し浮かすようにして持つとよいのです。とくに、つい忘れがちで無頓着になりやすいのがショルダーバッグの場合です。
スーツやコート、ジャケットなどの収納の方法
脱いだら必ず1時間はハンガーにつるして風を通しましょう。
外出着は、しまう前に乾燥させておきます。これは四季を通しでいえる大切な心得です。とくに夏は汗をかきやすく衣服が、直接素肌に触れるような着方が多いはず。そのままタンスにしまい込んでおくと、つぎに着るときに、悪臭やカビに悩まされます。
外出から帰ったら、まず汗じみをおとし、しみを点検し、そのうえで脱いだ衣服をハンガーにかけ、1時間はつるして、風を通します。また、おしゃれ着を着る前にはシャワーを浴びて体を清潔にしましょう。
コートやジャケットの上手な収納
ジャケットやコートを着た後は、すぐにクローゼットなどに収納しないで、風通しの良い場所で、陰干しをしてから収納しましょう。その時、服についたほこりをブラシで取ると、完璧です。特にえりの内側は、ほこりがたまりやすいので、えりを立ててブラッシングしましょう。ブラッシングのコツは上から下へ布目に沿って、かけることです。
コートやジャケットをたたんで収納する場合は、しわを少なくする工夫とともに、型くずれを防ぐ気くばりも必要です。背広は両肩の部分に新聞紙をたたんで入れ、肩がつぶれないようにします。そして、ボタンを上にして前端を重ね新聞紙の筒を中央に横にしておき、2つ折りにして収納します。
旅行に出るときなどで背広やスーツを小さくたたみたいときは、まず片方の袖の部分だけ裏返しにします。それをそのままもう一方の袖の中に入れて1本にするのです。こうすれば半分のスペースで納められます。
コートやジャケットのハンガー
コートや背広を形くずれさせずに、つるしてしまう場合、肩に自然の丸みのついたハンガーを使います。手元にある針金ハンガーを使う場合はひと工夫しましょう。人間が着ている状態が最も自然なわけですから、ハンガーもそれに近づけるために、両肩をタオルでくるんで、肩山の丸みをつけましょう。これだけで、型崩れしにくくなります。
クリーニング店の袋は取って収納
クリーニング店から帰ってきた、スーツや洋服はビニールの袋に入れられています。このビニール袋は、外してかクローゼットなどに収納しましょう。そのままだと、仕上げに使ったスチームの湿気がこもってしまうことがあります。ほこり対策には、通気性のよいカバーに取り替えるといった方法が良いでしょう。
ジャケットの型崩れを予防する方法
ジャケットやコートをハンガーに吊るすときは、ハンガーの肩部分にタオルを巻きつけて吊るしましょう。型崩れが予防できます。
ベルベットのくせを予防する方法
ベルベットのブレザーなど、毛並みの美しさが大切にされるものは、裏返しにしてたたみます。毛がはねためいくせになるのを防げます。外出先で脱いだとき、また冬物をしまい込むときに実行しましょう。なお、その際、肝心なことは、両袖が重ならないようにすることです。身ごろを裏返しにして、袖が重ならないようにしてたたみ、2つ折りにします。
エチケットブラシの代用品
洋服をたんすから出し、ほこりを落とそうとエチケットぶらしを使おうと探したところ行方不明、なんて時は代用としてスポンジが使えます。スポンジを水でぬらし、しっかりと絞ってから洋服をなでてやると、きれいにほこりが取れます。
スエードの汚れ落としの裏技
スエード製のコートなどに汚れがついてしまった時は、消しゴムでこすってみましょう。専用の汚れ落としクリーナーがなくても意外ときれいになります。
防虫剤の臭いを取る方法
長い間、衣類を収納していると、防虫剤の臭いがこびりついてしまう事があります。時間があるときは1日ほど風通しのいいところで陰干しをします。時間がないなら、冷風のドライヤーや扇風機で風を当ててみましょう。表面の臭いは取れます。少し手間をかけるならぬれタオルを衣類にのせて、アイロンをかけてやると良いでしょう。
スーツの臭いを消す方法
スーツについた嫌な臭いを消すには、湯気をあててやると消えます。時間のあるときなら、お風呂に入った後にでも、浴室に15分ほど吊るしておくといいでしょう。すぐに消したいときは、アイロンのスチームを当ててやると良いです。ただし、収納するときは、しっかりと乾燥させましょう。