洋風の料理に、欠かすことのできない野菜といえば、まず玉ねぎでしょう。カレー、ハンバーダ、シチューといったおなじみのメニューでも、名わき役をつとめていることは、みなさまごぞんじのとおりです。玉ねぎは、西洋では数千年前から、すでに食べられていたようですが、日本へは明治の初期に伝えられました。
ところで、玉ねぎが料理人泣かせの野菜であることは、だれもが経験ずみのはずです。きざむとポロポロ涙が出るのは、玉ねぎに含まれてれている揮発性の成分が、目の粘膜を刺激するからです。昔から、これを防ぐための方法がいろいろと伝えられています。例えば、水の中で切るとか、冷やしてから切るといいとか、ひと切れ口にくわえるといいとか…。しかし、どれも決め手に欠けるようです。今回は、そんな玉ねぎの涙が出ない切り方のコツを紹介します。
涙が出ない玉ねぎの切り方
玉ねぎをみじん切りすると涙がでるのは、玉ねぎの含まれている成分が目の粘膜を刺激するからです。昔から玉ねぎのみじん切りをするのには冷やして切るとか、ひと切れ口にくわえてみじん切りすると涙は抑えられるといいますが、実際に試してみた所そんなに効果はないようです。
それよりも、むしろよく切れる包丁で、手際よく切ることを心がけたほうが良いようです。切れない包丁で切ると、切り口を押しつぶすような感じになって、よけいに刺激性の成分をしぼり出すような結果になってしまいます。玉ねぎをみじん切りする前に包丁を砥いでおき、よく切れる包丁で手際よく切りましょう。 さらにティッシュでこよりを作り、鼻につめてみじん切りをすると、効果的です。
上手な玉ねぎのみじん切り
玉ねぎをみじんに切るときに、よく根の部分を三角に切り取り、端のほうからバラバラに切りはなして、涙をこぼしながら、手こずっている人がいます。これでは、なかなかみじんにはなりません。
玉ねぎをみじんに切るコツは、根元の部分を切り離さないことです。まず、玉ねぎを半分に切ったら、根元をそのまま残して、縦に細かく包丁を入れます。このとき、玉ねぎが広がらないように、左右からはさむように、しっかりと押さえてください。
つぎに、まな板に平行に、切れ目を入れます。そして、端のほうからきざむと、バラバラにならず、簡単にみじん切りができます。このように、玉ねぎはよく切れる包丁で手早く切って、涙とはさよならするようにしましょう。
なお、みじん切りの玉ねぎをいためる場合には、きつね色になるまで、よくいためると甘みが出てきます。
暮らしの知恵袋 玉ねぎの裏技
知っているとちょっと便利になったり、いざという時に役立ったりする裏技や、生活の中で役に立つ知恵などを紹介します。
玉ねぎを切っていて目が痛くなったときは
玉ねぎを切っていて、目が痛くなったときは、冷凍庫の中に顔を近づけ、数回まばたきします。すると、痛みが取れます。これは、冷気を浴びて、一瞬で目を冷やし、痛みを止めているのです。
飴色玉ねぎを簡単に作る方法
飴色玉ねぎを簡単に作るには、切った玉ねぎを冷凍しておきましょう。冷凍玉ねぎで作る方が、水分が少なくなっている分、飴色玉ねぎの完成が早くなります。薄切りやみじん切りにした玉ねぎでじっくり弱火で作りましょう。
玉ねぎは沸騰させたお湯から煮込みましょう
根野菜は、水から煮込むのが普通ですが、玉ねぎの場合は沸騰したお湯から煮込むようにしましょう。このほうが、玉ねぎ独特の苦みや匂いの成分が、甘味成分に変わりますので、玉ねぎの旨味を増してくれます。
玉ねぎを少量使いたいときは
玉ねぎを少量使いたいとき、半分に切ってから必要な分を切り取っていませんか?この方法だと、切り口から乾燥してきますので、少量使いたいときは、外側からひと皮ずつ剥がして使うのをおすすめします。包丁を入れないので傷みにくくなります。
玉ねぎの糖度
玉ねぎの糖度は、7~8%ぐらいあります。中には10%を超えるものもあるのです。10%超えというとメロン並みの糖度ってことになりますが、生で食べたときにはそれほど、甘さを感じることができません。
この原因は、玉ねぎに含まれる硫化アリルという成分が、辛みを感じさせているからです。なお、この硫化アリルは炒めると甘味成分に変わります。良く炒めた飴色玉ねぎが、甘く感じるのはこういう理由なのです。
玉ねぎの皮で花粉症対策
玉ねぎに含まれている成分のケルセチンはポリフェノールの一種で、花粉症などのアレルギーに効果があるといわれてます。ポリフェノールには、強い抗酸化作用があり、体内の酸化や、さまざまな健康を害する原因といわれている活性酸素を除去する働きがあります。花粉症の症状を軽くするには、免疫力を高めるビタミン・ミネラル類や、ポリフェノールを多く含む野菜などをしっかり食べると効果的といわれています。
ケルセチンは水溶性の物質で、玉ねぎの皮に良く含まれています。よく洗った皮を煮出して作ったお茶を飲むと、花粉症の体質改善になります。