美しい肌の4条件は、①肌色やつやがよく、②表面がすべすべとなめらかできめ細かく、③しっとりとしていて、④張りのある肌 です。これを美しい若々しい肌といいます。赤ちゃんや幼児の肌がこの条件を満たしています。今回は、肌荒れを治す健康法を紹介します。
肌から栄養は吸収されません
栄養クリームをつけると栄養物が肌から吸収されると信じられていますが、これは間違いです。肌は汗などの排泄と環境因子から体を守り、ものなどを知覚するのがおもな役割で、吸収はほとんど行なわれません。
肌の手入れの基本は洗顔です。肌は栄養クリームなどの栄養分よりも清潔さを保てば、老化のスピードは遅くなり、それだけ若々しい肌を保つことができます。
むやみに栄養クリームなどを厚く塗ったりするのは、肌の毛あなを埋めてかたって老化を早めてしまいます。
洗顔の基本
洗顔の基本は朝の起床時と就寝前の1日2回。洗顔法も素顔でいたときと化粧をしたあととでは異なります。素顔でいたときや朝の洗顔は、刺激の少ない石けんを必ずぬるま湯で泡立て、よく洗います。洗ったあとは、充分に石けん分をすすぎ落とします。
この洗顔法は小さいうちから身につけるようにするとよいでしょう。思春期をすぎてからは、洗顔後、良質の化粧水をパッティングして肌を保護します。
中高年をすぎたり、冬などの乾燥期には少量の良質の栄養クリームを用いれば、肌の保護が完全です。肌が異常に乾燥しない限り寝る前のクリームの使用は避けます。
乾燥肌や敏感肌の人は刺激の少ない石けんを
石けん洗顔すると肌がかぶれてしまうのは、アレルギー反応がおこったと考えなければなりません。この原因は肌そのものより、体の半健康状態にあります。ですから、肌の手入れはもちろんですが体を健康にすることのほうが先決問題です。
肌が乾燥したり、荒れでけるときはミルキー洗顔するとうるおいが戻ってきます。とくに冬や春先の乾燥期には最高です。
ミルキー洗顔は、過敏症の肌の人にも使えます。ただし、肌に合った、刺激の少ないミルクローションを選ぶのがコツです。
ミルキー洗顔の方法
良質で刺激の少ないミルクローションを選び、たっぷり手に取ります。ぬるま湯ぜ数倍に溶き、パッティングの要領で肌につけ、2〜3回、洗顔します。ひたい、首なども同様に。そのあとは、ぬるよ湯で充分にすすぎ洗いをし、クリーム分を完全におとしてから、良質のスキンローションをパッティングしておきます。洗顔の前に蒸しタオルで肌を温めておくとさらに効果的です。
ミルキー洗顔は化粧落としにも使えます。化粧落とし用のクリームよりおとす力が弱いので2度洗いが必要ですが、肌を痛めず、毛あなをつまらせません。
脂肌の改善方法
テカテカ、ギラギラする脂肌は大っている人に多く、吹き出ものや毛あなの化膿などが起こりやすいのですが、このような肌も一種のトラブルスキンです。
このタイプのような人は、1日に数回ぬるま湯で充分に洗顔し、いつも肌を清潔に保つことが大切です。洗顔後は良質の化粧水だけを用い、栄養クリームなどは用いないほうがベストです。
脂肌の改善は体の中から治さなければなりません。肥満であれば積極釣に解消し、運動をして体内のな余分な脂肪を燃やすようにします。食事も脂を控え、緑黄色野菜を食べるようにしましょう。
肌荒れのお手入れ
市販のパック剤にも、整肌、栄養、漂白、鎮静、脱脂、たんぱく質分解などいろいろな用途のパック剤がありますが、肌の状態に合わせて用いないと逆効果になることがあります。
パック剤は自分で作ることもできますが、この場合も肌の状態に合わせて選ぶことが大切です。最も無難なパックは汚れとりを目的としたものです。
肌に合ったパツク剤を自分でつくる
酵素パック
効果 | 適正肌 |
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古い角質の分解効果 脱脂分解効果 整肌効果 保湿効果 抗アレルギー効果 | 普通肌 脂性肌 乾燥肌 過敏症肌 |
粉木酵素 (市販されている)小さじ1~2杯を皿にとり、少量の水で顔にぬって流れぬ程度に溶きます。これを、目、鼻、口を除いて顔全体にぬります。乾燥したら(15~20ぐらい)ぬるま湯でよく洗いおとし、スキンローションをパッティングします。
過敏症肌には、パック剤をぬる前に肌に合うスキンローションか栄養クリームをまんべんなくぬり、その上からパックします。洗いおとすときは、必ずぬるま湯で、石けんは使わないでください。
はちみつパック
効果 | 適正肌 |
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整肌効果 保湿効果 | 普通肌 |
3gの小麦粉に水3cc、はちみつ2㏄を加えてよく混ぜ合わせます。5~10分後にぬるま湯でよく洗い落とし、スキンローションをパッティングします。
卵黄パック
効果 | 適正肌 |
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脱脂分解効果 整肌効果 | 普通肌 脂性肌 乾燥肌 |
3gの小麦粉に卵黄を混ぜて練ります。固かったら水を加えて調節します。15~20分したらぬるま湯でよく洗いおとし、 スキンローションをパッティングします。なお、アレルギー体質や、過敏症肌の人はは避けましょう。
牛乳パック
効果 | 適正肌 |
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角質を軟化する効果 | 普通肌 脂性肌 乾燥肌 |
牛乳に小麦粉を混ぜてマヨネーズ状にします。パックしてから15~20分したらぬるま湯でよく洗いおとし、 スキンローションをパッティングします。
果汁パック
効果 | 適正肌 |
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肌を引き締める効果 | 普通肌 脂性肌 乾燥肌 |
レモン、トマト、キュウリ、アボカド、イチゴなどの果実をしぼって果汁をとり、小麦を混ぜて練ります。5~10分したらぬるま湯でよく洗いおとし、 スキンローションをパッティングします。なお、アレルギー体質や、過敏症肌の人はは避けましょう。
また、これらの果実の輪切りを肌に直接当てたり、果汁だけをぬるのは肌を痛めるから避けましょう。
ヨーグルトパック
効果 | 適正肌 |
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漂白作用 細胞活性作用 整肌効果 | 普通肌 脂性肌 乾燥肌 |
乳酸発酵したヨーグルトをそのまま肌へ直接ぬります。15~20分間そのままにし、ぬるま湯でよく洗いおとし、スキンローションをパッティングします。ヨーグルトはフェイスマッサージのオイルの代わりとして使っても良いです。
卵白パック
効果 | 適正肌 |
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老廃物除去作用 こじわ防止効果 肌のたるみ防止効果 | 普通肌 脂性肌 乾燥肌 |
卵白を小麦粉に混ぜ、マヨネーズ状に練って使います。完全に乾燥してから(約20分間)ぬるま湯でよく洗いおとし、スキンローションをパッティングします。
パックのタイミング
週に1〜2回が適当です。入浴後、マッサージのあとがベストタイミングです。蒸しタオルで顔を温めてから行なう方法でも結構です。ニキビが化膿していたり、日やけがひどかったり、皮膚病があるときはパックを控えます。
パックをするときは心身をリラックスさせて行ないます。そのほうがより効果的だからです。
脂性肌や乾燥肌にはパツクが有効
テカテカ、ギラギラを取ったり、カサカサに乾燥した肌にうるおいを取り戻すにはパックがもっとも有効です。パックの目的は毛あなにつまった老廃物や古くなった角質や、汚れなどを取り除くことです、同様に皮膚に緊張を与え、再生力を高めて皮膚を正常に戻す効果も期待できます。肌の性質に合わせてパック剤を選ぶのがポイント。
ひじ、ひざ、指にもパツクは有効
トラブル肌の人は、顔だけが脂性肌や乾燥肌だというわけではありません。顔以外の皮膚にもそれぞれトラブルの特徴がでています。中でもひじ、ひざ、手や指などには意外に強く出てきやすいものです。
対策としては、月に1回ぐらいの割合で汚れ取りを目的としたパックを行ない、清潔にしておくこと。乾燥肌の人は、クリームなどの油分を少量与えるのもよい方法です。
脂性肌の人は油分を与えるより、こまめに洗って清潔にしておくこと。過敏症肌の人は、刺激の少ない洗剤でよく洗い、刺激の少ない良質の化粧水でたえず保護しておきます。
過敏症肌はパックより体質改善が先
肌をおおって保護している皮脂膜のできが不充分なために、化粧品や石けんを使うとその化学成分に刺激されてヒリヒリ、チクチク痛んだり、かゆみが出たり、時には炎症を起こすのが過敏症肌です。
化粧品や石けんが合わない肌を過敏症肌といいますが、過敏症肌は一種のアレルギーで、この原因は直接的には皮脂膜が少ないことです。本当の原因はわずかなアレルギー(サイレントアレルギー)の進行が皮脂膜の生成を阻止しているからです。
このような肌の人は、刺激となる化粧品や石けん、パックは避けなければなりません。過敏症肌を治す方法は、副腎皮質ホルモン軟膏などがありますが、2日以上の連用は絶対に禁物です。もっとひどくなるからです。
過敏症肌は体質改善をして、体内から治すのが最も早く安全な方法です。それには栄養バランスのよい食事と、適度な運動をすることです。