虫は、大切な衣類を食い荒らす衣類の大敵です なかでも、イガやカツオブシ虫系の害虫がとくに毛皮やウールを好み、また絹にもつきやすいので注意しましょう。ゴキブリも食物だけでいなく、ナイロンや綿をも食べます。見つけたらすぐに退治しましょう。
このページでは、衣類の防虫対策について紹介します。
防虫剤の種類と特徴
衣類の防虫剤は繊維製品が害虫に食われるのを防ぐもので、有臭性のしょうのう、ナフタリン、パラ剤、無臭性のピレスロイド系があります。それぞれの特徴を知り、用途に合わせて使いましょう。
防虫剤は、収納ケースやクローゼットに入れておくとガス化して充満し、防虫効果を発揮します。50℃以上の高温になったり、2種類の防虫剤を一緒に入れるとガス状にならずに液体となって衣服にシミをつけることがありますので、まずは防虫剤の種類と特徴を知る事が大切です。
しょうのう
古くから使われている防虫剤で、全ての衣類に使用できます。効果がソフトで、着物や毛皮の保管に向いています。金糸・銀糸・金箔には直接触れないようにしましょう。
ナフタリン
ナフタリンは値段が安く、殺虫力は強力で、においも強烈です。効きめはおそいのですが長持ちします。出し入れの少ない衣類などの防虫に適しています。
ナフタリンはしょうのう・パラ剤との兼用はできません。また、塩化ビニール製品への使用はできません。
パラ剤
パラ剤は、パラジクロルベンゾールのことで、ベンジンに塩素を混ぜて作ってあり、防虫効果がほどよく、一般によく使われています。
防虫剤のなかで一番早く効き目が広がるので、ウールなど虫のつきやすい衣類に適しています。また、臭いも早く飛びます。効き目が早い分、効果も早くなくなります。
パラ剤は、ピレスロイド系の防虫剤以外との兼用はできません。また、塩化ビニール製品やスチロール製品への使用はできません。また、ラメ入り生地や、金糸、銀糸の入った衣類には使わないこと。パラ剤に含まれる塩素のイオンの作用で、黒変するおそれがありますので、避けたほうが安心です。
ピレスロイド系
ピレスロイド系は防虫剤特有のニオイがなく、ほかの防虫剤と混ぜて使えるのが特徴です。臭いがないので交換次期を忘れがちになるので注意が必要です。銅を含む金属製品は避けた方が良いでしょう。
衣類の防虫対策
クローゼットやタンスなど密封された場所の扉をは開閉すると、ガス化して充満した防虫剤が外に逃げてしまいます。つまり、扉を開け閉めが多いほど、防虫剤の効果は半減します。防虫剤は、保管場所を密封しないと効果がありません。防虫剤を有効に使用するには、できるだけ開放しない事や収納場所の隙間をなくすと効果的です。
また、防虫剤のガスは空気より重いので、下のほうに流れる性質があります。防虫剤を引き出しや整理ケースの中に入れるときは、底にひかずに、衣類の上に置くとよいのです。使う量は、タンスなどの引き出し1本につき、10袋ぐらい。また、標準の大きさの衣装箱には6袋ほどが適量です。
衣類のしまい方
衣類を虫から守るには 清潔な状態でしまうことが何よりも大切です。しまう前には、しつかりと洗濯をしておきます。 ドライクリーニングが必要なものはクリーニング店に出します。その場合、戻ったら、袋のまま収納しないで、必ず風通しをしてからしまいます。
衣類のしまい方はさまざまですが、セーターの場合、防虫剤を上にのせて巻いて収納するのも一つの方法です。つぎのシーズンにも、折りじわを気にせずに着られるよさもあります。また、袋に入った防虫剤を、洋服のポケットなどにしのばせておくのもよい方法です。衣類1着1着に防虫をする場合に、とり入れるとよいでしょう。衣類を詰めすぎも、効果は半減しますので、気をつけてください。
新聞紙の効果
衣類をしまうとき、昔から、引き出しの底によく新聞紙を敷きますが、これは単にほこりを避けるためではなくて、きちとした理由があります。新聞紙には湿気を吸いとる作用があり、しかも新聞のインクのにおいが、防虫の役目も果たすのです。ただ、衣類に色がつく心配もありますので、新聞の上に別の包紙などを裏返しにして置くと無難です。
もちろん、新聞紙などを敷く前には引き出しの中を、とくにすみのほこりをよく払い出しておくこと。虫害予防の一つですが、ほこりが産卵場所になるからです。
なお、衣類は引き出しに詰めすぎないこと。1枚分ほどのゆとりをみておきましょう。型くずれを防ぐとともに、防虫剤が有効に働くのを助けます。
防虫剤の吊るし方
防虫剤の形態にもいろいろなタイプのものが売られています。クローゼットに吊るすタイプの防虫剤が市販されていますが、古靴下やストッキングに引き出し・収納ケース用の防虫剤を入れて、吊るす方法もあります。小さな防虫剤が残ったときなどには、このやり方がよく、他に、ガーゼなどでくるんで、てるてる坊主のようにして手作りを楽しむのもよいでしょう。
土用干しと寒干しとは?
衣類に虫やカビがつくのを防ぐ方法でも、虫干しは最も代表的で、昔の人の知恵としてよく行なわれてきました。
天気のよい日に、風通しのよいところで千します。じめじめした梅雨があけてからの土用干しはよく知られていますが、さらに、1年のうちでも最も寒いといわれる大寒から2月ごろにも寒干しをして防虫、防カビ対策をしておくのがのぞましいのです。
ふだんは夕ンスの奥のほうにしまってある衣類を引っぱり出し、冷たい風にさらしておきます。こうしておくと、
カビや虫がつきにぐぐなり、湿気の多い梅雨どきも上手に乗りきれるでしょう。また、押し入れも晴れた日は戸を開け放して乾燥させると防虫効果があります。その場合、しばらく一励風機の風をあてておくとさらに能率アップになります。
防虫剤のにおいをとる方法
久しぶりに、取り出して着ようとしたら、洋服に防虫剤のにおいが移っていて、通勤の満員電車に乗るのに気がひけた…。なんて経験はありませんか?
そんなときは、ゆっくりと風通しのよい日陰に干すのがいちばんですが、急ぐときは、ビニール袋に冷蔵庫用の脱臭剤といっしよに入れてしばらくおくと良いのです。また、防虫剤のにおいをとるには、 扇風機の風にあてたり、蒸しタオルの上からアイロンをかける、などの方法もあります。