春が旬の野菜はいろいろありますが、その代表格といっていいのが、土の香りをただよわせるたけのこでしょう。水煮や茹でたりした加工品は、一年中出回っていますが、春になったら、やはり皮つきのたけのこを、わが家で茹でて食べたいものです。今回は、そんなたけのこのアク抜きを簡単にする方法を紹介します。
たけのこのアク抜きをする方法
掘り立てのものは、そのまま茹でなくても料理できますが、八百屋さんで買ったようなたけのこは、一度ゆでてから料理をします。まず、新鮮なたけのこの見分け方ですが、根元についているイボイボや、切り口に注意をしてください。
掘ってから時間がたつにつれて、イボイボが黒ずんできますから、色が白くて、切り目がみずみずしいものを選びます。鮮度が生命ですから、買ってきたらすぐに茹でること。
たけのこを茹でるときは、まず、外の皮を二、三枚はがしてから、先のほうを斜めに切り落とします。そして、あとで皮をむきやすいように、縦に一本切り込みを入れます。あまり深く切りますと、中のたけのこに傷がつくので注意してください。
さて、下準備ができましたら、深鍋にたけのこを入れ、水がかぶるぐらいたっぷり注いで、さらに米ぬか一カップと、好みで赤唐辛子二、三本を加えます。米ぬかは、その脂肪がたけのこの甘みを増し、唐辛子は、えぐみを取るのに効果があるといわれます。
なお、米ぬかの代わりに、濃い目の米のとぎ汁を利用してもかまいません。こうして、落としぶたをして、大きさにもよりますが一時間前後茹でます。たけのこの根元に竹串を刺してみて、らくにすっと通るようならば火を止め、そのままさまします。これが、アクを十分に抜くコツです。
すっかりさめたら、はじめに入れておいた切り込みから皮をむいて、よく洗い、水につけておきます。さめないうちに水で洗うと、アクが抜けません。水につけたまま、毎日一度水を取りかえれば、一週間ぐらいは保存がききます。
たけのこの白いツブツブは、食べても問題ありません。
たけのこの水煮を縦に切ると、ひだの間に白いツブツブを見つけることがあります。これは、アミノ酸の一種でたこのこの成長を支える栄養分です。このツブツブが多いほど健康なたけのこであり、味の良いものと考えてください。
そのまま食べても全くの無害ですが、それでも気になるという方は、加熱すると溶けてなくなりますので、調理する前にさっと茹でると良いでしょう。
新鮮なたけのこを買いましょう
たけのこを買うときは、皮を触って確かめましょう。皮に湿り気があれば、掘ってからあまり時間が経っていない新鮮なたけのこです。また、全体がずんぐりとしていて、皮が薄茶色のツヤがあるものを選びましょう。細いものより太いものの方が柔らかくてアクが少なく美味しいです。
目で確認する場合は、切り口の状態を見てみましょう。白くみずみずしければ新鮮で、緑茶っぽい色になっているものは古いたけのこです。たけのこは時間が経つと切り口が変色してきます。また、根元のぶつぶつが小さくて少ないものほど肉質がやわらかくなります。
ただし、変色していない切り口がきれいなものを探しますが、もしかしたら、切り口を削って白く演出していることもあります。その場合はぶつぶつがある根元の部分が短くなっていることが考えられますので、その点も頭に入れておいてください。
重さで確認する場合は、たけのこは 90%が水分です。軽いものは水分がなくなって、鮮度が落ちています。持ったときに手にずしりと重みを感じるたけのこにしましょう。根っこがみずみずしく、土がついていて、まだ湿っているようなものが新鮮な証拠です。
えぐみのない美味しいたけのこを買いましょう
穂先が濃い緑色や黒っぽいものは日に当たっている可能性が高いので、えぐみが強い傾向にあります。えぐみは時間が経つにつれて強くなりますので、切り口が白く、みずみずしいものがおすすめです。新鮮なたけのこは穂先が黄色で閉じています。たけのこ全体が土の中に埋まっているときは、穂先が黄色で閉じています。例えば、たけのこが土から出すぎている場合は、日に当たっていることが多いです。その場合は皮が黒くなってきます。
たけのこを茹でるときは皮ごと茹でましょう
たけのこを茹でるときは、皮つきのまま茹でたほうが良いです。たけのこの穂先を包丁で落とし、熱が通りやすいように縦に深く切れ目を入れたら、皮ごと茹でましょう。皮ごと茹でた方が、風味が豊かになります。
簡単にたけのこのアク抜きをする方法
たけのこは掘り出してから時間がたつほど、えぐみが増えます。買ってきたら早めに調理しましょう。ここで、米ぬかでアク抜きするより、手軽にできる方法を紹介します。簡単に説明しますと、たけのこのアクの成分は酸性ですので、アルカリ性にすれば良いのです。
- 水に大根おろしを入れて、たけのこを1時間つけます。消化酵素がアクを分解してくれます。
- 重曹で水をアルカリ性にして茹でましょう。
- アルカリイオン水で茹でましょう。
たけのこの保存
たけのこは、鮮度が落ちるとえぐみが強くなるので、そのままの状態では保存できません。購入後は早めに茹でましょう。茹で上がったたこのこは、茹で汁に付けたまま冷まし、皮を剥き、密閉容器に入れて、水に浸けて冷蔵庫で保存します。茹でたけのこからもアクが出てくるため、水は毎日交換しましょう。そして 1 週間以内を目安に食べきりましょう。たけのこは掘りたて半日以内なら 米ぬかや米のとぎ汁などは不要です。水のみで茹でても美味しいです。