おいしい肉料理をつくるには、まずおいしい肉を手に入れます。専門店はこちらの希望をいうと、専門家の目で肉選びをしてくれます。また、肉料理は作ろうとする好みの料理に適した肉を選ぶことも大切です。今回は、美味しい鶏肉・豚肉・牛肉の選び方を紹介します。
お得にお買い物!美味しいお肉の選び方
目方買いより段然格安なのが、かたまり買いです。たまには夕食メニューに牛ヒレステーキを。こんなときにはブロック肉を買えば、牛ヒレ肉一本(約4kg)で上等なステーキが10人分ほど作れます。肉さばきもヒレ肉は脂肪や筋、膜、などが比較的少ないので、牛刀1本で簡単です。4人家族なら、ステーキのほかに、ローストビーフも作れます。そして、余ったくず肉、筋や膜でスープや、煮こごり風の肉料理など、いろいろな料理も作れます。
安くお買い物をするなら、スーパーを利用しましょう。スーパーは大量に仕入れるので、専門店よりいくらか安価です。スーパーではパック入リコーナーが広いので、献立が決まっているなら必要な分だけ選べばいいわけです。相談をしながら買いたい、となると専門店へ行きましょう。専門店は、とくに品ぞろえのよい店を選びます。
品ぞろえのよい店や高級銘柄を扱う店では、よく肉の切り落としが売られます。タイミングが合えば和牛の霜降り肉でも、破格値で買うことができるかも。お得なお買い物で、美味しいお肉を選びましょう。
美味しい牛肉の選び方
牛肉は肉のきめが細かく、よくしまっていてなめらかなもの選びましょう。パック入りの牛肉は肉汁が出ていないものを選びます。
牛肉は切ってから長時間おくと自然に肉汁が出てきます。この肉汁には牛肉のうまみが入っているので、肉汁が出てしまったものはうまみが抜けていることになります。切り口が多いほど、肉汁は出やすくなりますので注意してください。
ひき肉は脂肪が少なく、ひきたての肉がおいしい
料理にもよりますが、合いびき肉は脂肪の混入率が25%ぐらいがいちばんおいしいです。肉ひき器からの押し出した穴の形がついているものが新鮮です。脂肪の少ない肉本来の色を選びましょう。
牛肉の薄切り肉は鮮紅色で脂身に光沢のあるのが新鮮
やわらかいておいしい牛肉は、鮮やかな赤色をした肉が新鮮です。古くなると暗い赤色へと変化してきます。指で押すと弾力があり、脂身は光沢のあるのが良質です。赤味が淡いのが若い牛、濃い赤色は老齢牛で風味がおちます。
牛肉の部位と特徴
牛肩
脂肪分の少ない赤身肉でそ。肉はかたいのですが味があり、角切りで煮込みに。店頭では、他の部位と混ぜてこま切れやひき肉で市販されています。
牛肩ロース
背中の肩あたりの肉で、霜降り肉のとれる部位。リブロースやサーロインに比べるとやや筋っぽい。厚切り料理は不向きです。
牛ヒレ
牛肉のなかでもつともやわらかい部位。1頭で3%しかとれないので、値段も高い。さっと焼いてステーキにしましょう。
牛リブロース
ヒレと並んで牛肉の最高部位。やわらかくておいしい。霜降りの強いものほど上等で、ローストビーフ、ステーキ、すき焼きに。
牛サーロイン
腰に近い背中の肉で肉質はきめが細かくてやわらかく、適度に脂肪がある最高部位。ステーキやすき焼きに。
牛もも
内もも、シンタマ、ともにもも肉と表示され、両方とも脂肪がほとんどないあっさりした赤身肉。上肉はヒレと同様に料理できます。
牛外もも
動きの多い部分なのでかための部位です。脂肪がほとんどない赤身肉で薄切りやひき肉にされ、焼き肉や炒めものに。
牛バラ
赤身と脂身が層になった肉。シチューなど煮込みに最適。焼き肉のカルビはこの部位。
牛ランプ
もものつけ根についた肉で、赤身ですがやわらかい。値段も手ごろで、ステーキ肉として人気が高い。
美味しい豚肉の選び方
豚肉で、いちばんおいしいのがロース肉です。背ロース、肩ロースとありますが、どちらにもねっとりとして光沢があり、白い脂身がついています。ソテー用に切った肉では、肪脂より肉が薄くて、みるからに弾力のないものは、味が悪いものです。肉部分は、美しいつやのあるピンク色をしたものを選びましょう。
豚肉の部位と特徴
豚肩
脂肪と筋肉の間に筋のある、かなり固い部位。色も赤みが濃い。各切にして煮込むのが最適です。
豚肩ロース
肩肉とロース肉の中間的な肉質。脂肪が赤身の中にもあります。コクがあり、やわらかなので、どんな調理にも向く万能肉です。筋切りをしてから加熱しないと肉が縮みます。
豚ヒレ
豚肉のうちでもっともやわらかくてきめの細かい部位。脂肪が少ないのであっさりしています。
豚ロース
背中から腰へかけての肉で、ヒレと並ぶ最上の部位。肉の色は淡いピンク。とんカツ、ローストに。
豚もも
内もも、ランプ、シンタマの3つの部位が含まれます。脂肪の少ないやわらかな赤身肉です。
豚外もも
もっともかたく、色の濃い部位。ロースト、焼き豚、ソテーなどに。
豚バラ
豚肉のなかでもっとも脂肪の多い部位。コクとうまみがあり、安い肉です。ベーコンや角切りにして角煮やシチューにします。肉はかためですが、煮込めば柔らかくなります。
美味しい鶏肉の選び方
鶏肉も部位によってちがいますが、全体が淡いピンク色。脂がのっているので光沢があります。皮肌がクリーム色ぞ黄色いのは古い鶏肉です。もも肉が濃いピンク色で、胸肉がそれより薄く、ささみはさらに淡い色。味も色の濃度とともにコクあるものから淡泊な味になります。
鶏もも肉は骨つきのほうが味がよい
から揚げ、ソテー、水炊き、煮込みにと、もも肉は料理のレパートリーが広がります。骨つき、骨なしとありますが、骨つきのほうが骨からのうまみも加わっておいしく、ボリュームがあるので人気ですが、料理法によって選びます。骨はなるべく細いものを選ぶと肉もたっぷり食べられ、自分でぶつ切りにもできます。
鶏皮、手羽元、手羽先は格安です。煮込み料理に最適
手羽元や手羽先は肉質の少ないところですが、よく動かすのでゼラチン質に富み、脂肪が多く味のよい部位です。正肉と比べ格安で、そのわりにうまみもボリュームもあります。チューリップ形にして揚げものにしたり。大根などと煮込むと、とろりとしたコクのある煮ものになります。鶏皮はたんぱく質に
富み、焼きものや、あえものに最適です。